19:41 11-11-2025

ベンテイガEWBアズール「リメンブランス・カー」発表—クルーの17人に捧ぐ85年の追憶

ベントレーは、ベンテイガ EWB アズールの特別仕様「リメンブランス・カー」を公開した。これは1940年12月、伝説のスピットファイアに搭載されたマーリンエンジンを生産していたロールス・ロイスのシャドー工場があるクルー施設がドイツ軍機の攻撃を受けた際に、命を落とした17人の従業員へ捧げるワンオフで、あれから85年の節目を刻む。

Revbuzz.comが伝えるところでは、このベンテイガは象徴性を通してその歴史を語る。ボディはマットのサテン・アルティカ・ホワイトで仕上げ、側面には航空機のシルエットと、そこから降り注ぐポピーの意匠が描かれる。ポピーは追悼の伝統的な印だ。ピラーには殉職した従業員のイニシャルがゴールドで入り、グリルには85の数字が掲げられる。

© bentleymedia.com

このプロジェクトは、ベントレーのデザイン部門と社内の退役軍人ネットワーク「BeReady」の協働で生まれた。メンバーにとって、このクルマは単なる追悼碑に留まらず、企業の過去といまの姿をつなぐ存在でもある。表現は控えめだが、その引き算は派手さより思慮深さを感じさせ、題材にしっくりと寄り添う。

「リメンブランス・カー」シリーズは2022年に始まり、毎年、歴史上の重要な節目に合わせて製作されている。2024年はノルマンディー上陸作戦80周年に捧げられ、今回の仕様はシリーズの第4弾となる。

ベンテイガ リメンブランスは、クルーでの記念式典やアングルシーのレース・オブ・リメンブランスに登場し、サーキットの公式車両を務める予定だ。単なるスタイリングの演習ではなく、追悼を走りへと昇華し、象徴そのものに語らせる。