13:25 17-11-2025

アストンマーティン伝説の名車11選:DB5からヴァルキリーまで

下に挙げる伝説のモデルたちは、アストンマーティンという名門の進化をそれぞれの時代で鮮やかに刻んだ節目だ。

DB5

DB5を世界的なアイコンへと押し上げたのはジェームズ・ボンドの存在だ。4.0リッター直列6気筒は品のある加速と滑らかな乗り味をもたらし、手作業で仕上げたアルミボディが丹念なクラフトマンシップを語る。黄金期の美意識と緻密な手仕事が、いま見ても説得力のある一体感を生んでいる。

DBS Superleggera

現代のアストンで技術とデザインの粋を示すのがDBSスーパーレッジェーラだ。5.2リッターV12ツインターボは715馬力を解き放ち、造形は気迫と優雅さを精妙に同居させる。細部に至るまで英国的な品格が息づき、ボディは意図の明確な“彫刻”のよう。玄人でも思わずうなる完成度だ。

V8 Vantage

V8ヴァンテージはカルト的人気のスポーツカーとして地位を築いた。狙いは比較的手の届きやすい価格帯だが、快適性と特別感はしっかり確保。力強いV8はポルシェ911のような強豪とも堂々と渡り合い、流麗なクーペフォルムと手仕上げの上質なキャビンが心をつかむ。

DB4 GT Zagato

アストンマーティンとイタリアのザガートが手を組んで生まれた特別な一台。軽量素材のみで成る手作りボディは、軽さとコンパクトさを突き詰めた新造形が見どころだ。軽量アルミシャシーと高出力エンジンが走りに直結し、わずか19台という希少性が魅力をいっそう高める。一目で特別とわかる存在感がある。

One-77

One-77は、アストンの技術的野心を純度高く体現したハイパーカーとして語られる。自然吸気7.3リッターV12は750馬力を発生。カーボンファイバーボディで軽さと剛性を両立し、77台限定という希求性が所有体験を引き立てる。存在そのものがブランドの到達点を示すショーケースだ。

DB11

DB11はラインアップに新章を開いたモデル。最新の技術と素材で構築した新設計ボディに、先進の車両制御を扱いやすくまとめたハイテクな室内を組み合わせる。力強さと効率で評価の高い新開発のV12ツインターボが加わり、現代らしい快適性と速さを高次元で融合した。

Valkyrie

ヴァルキリーは近年で最も野心的なプロジェクト。F1の知見と独創性を融合し、6.5リッターV12にハイブリッドを組み合わせ合計1,160馬力を実現する。レッドブル・レーシングと共同開発した空力は唯一無二のキャラクターを与え、150台のみの生産でコレクターズアイテムとしての価値も際立つ。もはやロードカーの定義を揺さぶる存在だ。

DB2/4 Mark III

20世紀中葉の初期アストンであるDB2/4 Mark IIIは、ブランドの将来像を描くことを目指した。スタイリッシュで力強い直列6気筒と、ドライバーに優しい着座姿勢が肝。シリーズは約551台で構成され、1台ごとに歴史的資料の趣が宿る。当時の志が明快に伝わってくる。

Vanquish

ヴァンキッシュはアストンの精神を現代的に表した一台だ。このクルマが重要な役割を担ったジェームズ・ボンド映画の公開が追い風となり、現代的なV12、高性能、すぐれたデザインが相まって、今日のプレミアムスポーツの象徴となった。名は体を表す、そんな説得力がある。

DBR1

アストンの偉業のひとつが、DBR1が1959年の世界スポーツカー選手権で勝利したことだ。狙いは運動性能とハンドリングを高度に両立させた理想のレーシングマシンをつくること。現在では英国クラシックの中でも最高額級の一台として知られ、主要オークションにたびたび姿を見せる。伝説は今も拍を刻む。

Rapide

ラピードはアストンのスーパーカーの中でも異色の存在。4ドアサルーンでありながら、伝統のスポーティな姿勢を保ち、広く快適な室内を備える。この組み合わせは「速いクルマ」の既成概念を押し広げ、快適でスポーティなドライビングの魅力をより多くの人に示した。速さと余裕の両立は今なお示唆に富む。