ヒョンデはロサンゼルスに、同社で最も過激な電気車 IONIQ 6 N を持ち込んだ。高性能EVの時代へと舵を切るNラインアップ拡充に向け、米国初公開は大きな節目だ。米国では2026年に限定導入が予定されている。IONIQ 6 N は、Nブランドの三つの柱「コーナー・ラスカル」「レーストラック・ケイパビリティ」「エブリデイ・スポーツカー」を軸に開発。サスペンションとジオメトリーは徹底的に見直され、ロールセンターの低下、剛性を高めたボディ、ストローク感応ダンパー、そしてe-LSDを採用して安定性と応答性を磨いた。スペックからも、高速の切り返しで頼りになる一方、精度を損なわないセットアップに思える。空力面も一段引き上げられ、スワンネック型のリアウイングやワイド化されたフェンダーを装備。Cd値は0.27。2基のモーターは合計601hpを発生し、「Nグリン・ブースト」作動時には641hpまで高まり、0–60mphはおよそ3.2秒とされる。数字だけ見ても、本格派の高性能セダンのど真ん中に食い込む内容だ。装備では、仮想ギアボックスの「N e-Shift」や3種の「アクティブ・サウンド+」を用意。さらにローンチコントロール、ドリフト・オプティマイザー、11段階に調整できるトルク配分などのモードも揃う。遊び心と実用性が同居するメニューで、楽しさと精密さの幅広いレンジを示している。84kWhのバッテリーは、走行シーンに合わせたプレコンディショニングに対応し、10〜80%まで18分で充電できるという。この組み合わせなら、パフォーマンスの安定と短い停車時間の両立が期待できる。室内はブラックを基調に「パフォーマンス・ブルー」の差し色を配し、スポーツシートと専用のNステアリングを備える。過度な演出を抑え、走りそのものへ視線を集めるたたずまいだ。
IONIQ 6 N は、Nブランドの三つの柱「コーナー・ラスカル」「レーストラック・ケイパビリティ」「エブリデイ・スポーツカー」を軸に開発。サスペンションとジオメトリーは徹底的に見直され、ロールセンターの低下、剛性を高めたボディ、ストローク感応ダンパー、そしてe-LSDを採用して安定性と応答性を磨いた。スペックからも、高速の切り返しで頼りになる一方、精度を損なわないセットアップに思える。